2026年3月24日

こんにちは。安城市のかみやデンタルクリニック、院長の神谷です。
当院にお越しいただく患者様から「まずは歯石を取ってスッキリさせてほしい」というご要望をいただくことがよくあります。お気持ちはとてもよく分かります。しかし、当院では基本的にお一人おひとりの初診時に、いきなり歯石取りを行うことは基本いたしません。
それは、皆様の歯を**「その場限りではなく、一生守り抜きたい」**と本気で考えているからです。
歯周病治療の80%は、実は「毎日の歯磨き」です
意外に思われるかもしれませんが、歯科医院でのプロの掃除は、治療全体の2割程度に過ぎません。残りの8割という圧倒的な重みを占めているのは、皆様がご自宅で行う「毎日の歯磨き」です。
「毎日磨いているよ」という方も多いでしょう。しかし、「毎日磨いていること」と「綺麗に磨けていること」は、実は全く別のお話なのです。 お口の中の汚れ(プラーク)は白っぽく透明に近いため、自分では見えません。そのため、磨いているつもりでも、同じ場所に汚れが残り続け、そこから歯周病が悪化していくのです。
なぜ、歯磨き指導の前に歯石を取ってはいけないのか?
ここが一番大切なポイントです。歯石は、磨き残した汚れが固まったものです。つまり、**「歯石がある場所 = 普段の歯磨きが届いていない場所」**です。
歯磨きが不十分なまま無理に歯石を取ると、炎症を起こしているデリケートな歯ぐきを傷つけてしまいます。すると、傷口からお口の中の細菌が体内に侵入しやすくなり、人によっては**「何もしないより歯周病が早く進んでしまう」**ことさえあるのです。
例えるなら、**「泥がついた傷口を、そのまま手術するようなもの」**です。まずは、ご自身の手で「傷口の周りを清潔に保てる状態(正しい歯磨き)」を作ることが、安全で確実な治療の絶対条件なのです。
「染め出し」で見える、あなただけの磨き癖
当院では、磨き残しが赤や青に染まる専用の液を使い、徹底的に「歯磨き指導」を行います。
どこに汚れが溜まりやすいのか
どの角度でブラシを当てれば落ちるのか
ご自身に合った道具は何か
これらを、普段お使いの歯ブラシを使いながら一緒に確認していきます。
また歯ブラシだけでは清掃が行き届かないところもあるため、その場合はデンタルフロスや歯間ブラシなどの提案や使い方指導もさせていただきます。
一生の財産になる「技術」を身につけてほしい
人間にはどうしても「癖」があります。一度完璧にマスターしたつもりでも、時間が経つと自己流に戻ってしまうものです。だからこそ、当院では定期的なメインテナンスの際にも繰り返し染め出しを行い、歯磨きの質をチェックさせていただきます。
当院の歯周病治療のメインは、歯石取りではなく、この「歯磨き指導」です。 「歯医者に通ってお掃除してもらう」という受け身ではなく、「自分の歯を自分で守る技術を身につける」。そのためのパートナーとして、私たちは全力を注いでいます。
一生、自分の歯で美味しい食事を楽しんでいただくために。まずは当院で、あなたの「本当の歯磨き」を始めてみませんか?
Q1. なぜ初診で歯石を取ってくれないのですか?
A1. 歯磨きが不十分な状態で歯石を取ると、歯ぐきの炎症が悪化したり、細菌が体内に入りやすくなるリスクがあるためです。まずは歯磨き指導で歯ぐきの状態を整えてから安全に処置を行うのが、世界標準の正しい治療手順です。
Q2. 電動歯ブラシを使っていれば、歯磨き指導は不要ですか?
A2. 不要ではありません。電動歯ブラシでも「当てる角度」や「時間」が正しくなければ磨き残しは発生します。染め出しによって、ご自身の道具を正しく使いこなせているかを確認することが非常に重要です。